発達相談室アズ

   Be happy as an AS boy/girl.

中学生 1年生と3年生

来年3月、アズでも何人かの生徒が中学校を卒業します。

中学1年生と3年生とでは、別人のように変わりますね。

小6の頃は、アズでも学校でも少しの刺激で崩れていたT君、
中学校は怖いところだから行かないと、ダダをこねていたG君、
ひとりで買いものしたことすらなかったMさん、
難関校に、何の努力もなしに入れると信じていたM君、、、

みんな中3になった頃から、
真剣に自分の生き方と向き合うようになってきました。
銀色卵
今の自分に向いている学校を選び、
そこに入るための努力をする。
そして進学。

こんな日が来るとは、まわりの誰もが思っていなかったのではないでしょうか?

もちろんまだまだ道はこれからですが、
でも、努力が報われる経験をした人は強い。
そして、等身大のこどもを受け入れ、支えてきた親御さんたちも。
きっとこれからも、いろいろなことを乗り越えていけることでしょう。

   アズは28日まで行ないますが、ちょっぴり早い「よい年を!」     
                                          
最近はまっている銀色卵の実験。
                                             小3のY君に教えてもらいました。



一番先に捨てるもの

3週間前に復調した彼の調子が、ほんの2〜3日ですがくるってしまいました。

問いかけても返事は全くなし、家でも暗い部屋のすみでじっとしている、
好きなことしかしない。
どうも、クリスマス会に行きたくないこと、
お父さんにしかられたことなど、いろいろと重なったらしい。
そういう時にどうなるか?
「一番先に捨てるのは、コミュニケーションですよね」
というのがお母さんの弁ですが、これは名言。

心が不調の時はこだわりが強くなる、とよく言いますが、       
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考えてみれば、心にゆとりがなければ
一番先に捨てるのは、苦手なこと=コミュニケーション
唯一できるのは得意なことや好きなこと。これがまわりにはこだわりとうつる。
当然のことですね。

コミュニケーションって、それほどエネルギーが必要なことなんですねえ。
やっぱりコミュニケーションにエネルギーを振り分けてもらうには、
心にゆとりを作るのが一番、ということです。

ところで彼は今回は、すぐに復調。
クリスマス会が重荷になっていると気づいた、お母さんのお手柄でしょうね。


棒人間アニメ

T君がDSのソフトで作ったアニメ、第2弾です。
今回は、1コマずつ絵を描いて作りました。
短いけれど、You-tubeにアップされているものと遜色ない出来上がりです。

感心したのが、足の描き方。
どのように描けばキックしているように見えるのか、
手でパンチしているように見えるのか、
彼が描いているのを見て初めて知りました。
画面下の○を少しずつ動かしていくと1コマずつ見えるので、
お時間のある方は、チェックしてみて下さい。


コミュニケーション

驚かされることの多い毎日ですが、
T君の成長にもびっくり仰天。

T君は話し言葉がほとんどない4年生の男の子です。
でも、彼には話し言葉なんて必要ないのです。
だって彼は絵、ジェスチャー、数字でちゃんと伝えたいことを伝えることができるのですから。

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この絵のジェスチャーを翻訳すると 
「帰りに、ふみきりを見たいな。電車も見たいな。」
「電車の動画を6つ見せて。」
「10月6日はアズだよね。25日は校外学習だよね。」
です。

ここまでも充分すごいけれど、先日来た時には
i-Padの50音入力で「おだきゅうせん、ふみきり、えびな」とタイプして

漢字変換して、動画を検索できるようになっていたのです!
思わず夢ではないかと、目をこすりましたよ。

希有な例とは思いますが、それにしてもこどもの可能性は限定してはイケナイ。
またまたこどもに教えられた1時間でした。

まだ駅と電車名だけですが、そのうちに
「こんど、せんせいもいっしょに せたがやせんに のろう」
なんてタイプされたらどうしよう? 
気絶してしまわないように、今からこころしておこうっと。


心を占める

先日、嬉しいことがありました。
M君のひとり言が少なくなり、ことばでのやりとりがスムーズにできるようになったのです。

今年の6月以来ひとり言が増え、極端な時には体の動きも止まってしまう、
呼吸すら止めているのではないかと思えることもありました。
当然、会話にはなりません。
おまけに体重は減る、好きだったお料理もせずひたすらDVDばかり見ている。
本来はこんな子ではなかったのに、、、、
彼の中にいったい何がおきているのか?
思春期だから? それとも発作? 友だち関係で辛いことでも?
お母さん共々、本当に悩みました。

そしてついにそれが完全にではないものの、終わる日が来たのです。
その日とは? 
なんと!中学校の校内合唱コンクールの日だったのです。
これが終わった日の彼の顔のすがすがしいこと、会話もできる。なあんだ、これだったんだ!
!!!!をいくつつけても足りないくらいです。

そう言えば、6月ごろから10月の合唱コンクールのことがぼちぼち話題になっていたとか、
小学校の頃も、学習発表会の後にひとり言がすごかったとか、
思い当たることは多々あります。
それでも、これほどコンクールが彼の心を占領していたとは、本当に驚きでした。

ストレスというのとは違うのですよね。
心の中を占領されていた、だから他のことをする余裕がなかった、そんな感じなのです。

おそるべし人の心。

中高生カラオケ大会

アズのカラオケ大会も3回目。
今回は、中高生のみで開きました。

いや〜、みんなうまいのですよねえ。すごい!!

リーダーのY君は、自分の好きな曲ではなく、みんなが盛り上がる曲を選んで歌ってくれます。
どこで学んだのかなあ。この優しさは。
高3のMさんの「ハクナマタタ」もすごかった! ミュージカルスターも顔負けの表現力なんです。
中3のMさんは、前回歌えなかったボカロを。マニアックな歌が入るのもいいなあ。
同じく中3のMさんは、回を重ねるごとにうまくなっていく。心を開くと歌もうまくなるのですね。
中2のS君。大すきなウルトラマンのメドレーはみんなも知っていて、とっても盛り上がりました。
中1のT君は、実は私の歌の先生。彼のおかげで私も中高生と一緒に楽しめるのです。
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本当にあっというまの2時間でした。
             あ〜、楽しかった。

    今回は準備期間が短くて、誘えなかった人もいました。
    ごめんなさい。
    次回はもう少し早く準備します。(反省)

LBX

知的にはとても高いのですが、家族以外の人と過ごすことが苦手なT君。
今の課題は、先生と楽しく過ごすこと、要求をきちんと伝えることです。

前回、やりたいことを伝えられないまま終わってしまい、
帰り道、機嫌が悪かったそうです。

そこで今日はあらかじめ、一緒に勉強の計画を立てようと伝えておきました。
するとT君、家からこのLBXを持ってきました。
DSのアニメ作成機能を使って、アニメーションを作ろうというのです。
サポートしてくれたお母さんと、勇気を出して要求を言えたT君、両方とも素敵です。

おかげでご覧の通り、アイデアを出し合って、短いけれども臨場感あふれる作品を作ることができました。

ひとりもいいけれど、だれかと一緒に作り上げるのも楽しい。
そう感じてもらえたらうれしいな。




マス・スマート

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「ゲーム」という言葉だけで緊張してしまうRちゃん。今日は、そんなRちゃんの口から思いがけない言葉が!
 「先生、この次は本番にしようね。」
 今日のは計算練習。だから、縦と横だけしかつなぐことができないカードも、
 ななめつなぎOKにしました。勝ち負けは、決めません。
 でも次回はちゃんとしたルールでゲームしよう、勝ち負けを決めよう、というのです。

 まだ1年生になったばかりなのに、えらいなあ。
 結果がどうなるかわからないゲームに取り組める、ということは、
                   こころが安定している証拠です。
                   今はそれで十分。

 次回が楽しみです。
 もし負けてくやしくて、自分をなだめることができなくても、やっぱり今はそれで十分だよ。

スナップ・サーキット

このところ凝っているのが「スナップ・サーキット」というアメリカの科学遊び玩具。
対象年齢8〜108才ですって。

ことばはほとんど出ないけれど、設計図を見て作ることが得意なY君は、プロペラを飛ばして大喜び。
少し複雑な回路も、設計図を見ながら組み立てていくことができます。
「見る」力の強さは、彼の成長の原動力。
この力を十分発揮させてあげることが、まわりの大人の役目です。

設計図なんていらないのがH君。
音の出るICパーツは仕組みが複雑なのですが、
INやOUT、+や−を考え、スピーカーのつなぎ方を工夫し、、
オリジナル回路を作ってしまいました。
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こうやったらこわれるかも、、などと恐れずに、とにかくつないでしまいます。
こわれてしまったら、それでまたひとつ勉強できるので、まっいいか。
自閉症のこどもはなるべく失敗させないように、と考える場合もありますが、
失敗してもOKな力を育てることもまた大切なことです。

一度作った回路のパーツを別のパーツに置き換えて実験する論理派は、
二人のK君。
そうして各パーツの働き(抵抗、光センサー、振動センサー、、)を
確認していきます。
ちなみにICパーツの仕組みは、電気が専門のひとりのK君のおとうさんに来ていただいて
教えてもらいました。ありがとうございます。

今持っているのはJr.バージョン。
もっと上のバージョンを買おうかなあ。
思案中です。

自由に作る

見本通りに作品を作ることが得意な子、自由に作ることが得意な子、
そのことについても、こどもたちはいろいろです。

R君は、自由に作ることが得意。
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ジオマグで、こんなオブジェを作りました。
名付けて「レインボータワー」
すごいなあ。
何か意味ある形にしないと不安な大人には、絶対にできない作品です。
R君の発達にはでこぼこがあるけれど、私の発達にもでこぼこがある。
みんな同じ。
「でこ」を認められて、「でこ」に自信を持って大きくなっていけばよいのです。

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Mちゃんは反対に、見本通りに作ることが得意。見本がないと不安になることも、、、
でも今日は、妹さんと一緒に自由に家を作っていきました。
こういうこともできるようになったのだなあ。感慨深いです。
Mちゃんに誘われて、おかあさんも家つくり。
みんなの家を集めたら、こんなニュータウンになりました。

夏休み明け

毎年のことですが、夏休み明けのこどもたちは快調です。
自由時間が長いのもいいけれど、
きっちり学習するのもまた、楽しいのでしょう。

    はじめの写真は「アイロンビーズJr.」
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    1ピースの直径が1cmもある、ジャンボアイロンビーズです。
    小さいパーツがたくさんあると感覚遊びになりがちなAちゃんも大丈夫。
    透明板の下絵の上に並べて、スイスの国旗を作りました。


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次の写真は「リンカーンログ」
ログハウスの模型のようなものです。
K君、写真の手順書を見ながら、一所懸命作りました。
2頭の馬にまたがるおじさん、かっこいいぞ。




麻雀大会

8月19日、2回目の麻雀大会を行ないました。
参加者は小学生から高校生までが6名、大人が4名の計10名。
差し入れのスイカにパクついた10分間以外、3時間みっちりゲームしました。

え!? こどもが麻雀? と思われるかもしれませんが、
数あるゲームの中で、これは最高峰のものだと思います。
ひとつには、すごろくのように完全な運まかせでも、囲碁将棋のように完全な実力勝負でもないから。
だれでも勝つ可能性がある一方で、下手では勝ち続けることができない。

そしてもうひとつ。マナーやソーシャルスキルが不可欠だけれど、
メンバー全員が気持ちよくできた時の満足感がとても大きいから。

今回のテーマはその「マナー」。
新聞やテレビで紹介された「ニューロン麻雀教室」に参加しているK君に
最初にマナーを朗読してもらいました。
マナー

みんなよく守ってくれましたよ。
麻雀って負けると、本当にくやしいのです。
だいの大人だって、牌を投げる人がいるくらい。
それなのに、だ〜れもイライラすることなく3時間過ごすことができたのだから、すごいですよね。

また「秋にもしよう、冬休みにもしよう」なんて言うメンバーもいたから、
今回参加できなかった人も、次回はきっと、、、
麻雀とソーシャルスキル、両方アップしていくと素敵だな。

6年ぶりのHP更新

なんと! 6年ぶりのHP更新です。
毎日走り続けていたら、いつのまにか6年も経ってしまったという感じ。

しかもブログのタイトルNo.1「炭酸飲料」を5月に書いておきながら、それからまた3ヶ月。
どれだけ続けられるやら。

でも、こどもたちの魅力は是非みなさんに伝えたい。
ぼちぼち書いていくこととしましょう。

炭酸飲料

重曹とクエン酸で、炭酸飲料を作るのに凝っています。
2種類の粉を混ぜるだけでシュワシュワ〜。

電子はかりを使ったり、
紙を使ってペットボトルに粉を入れたり、
化学式に関心を持ったり、
勉強できることがいっぱい。

砂糖多めに、少なめに、、
Pasted Graphic

もう少し酸味をきかせて、、、う〜ん おいしい。
スーパーから重いペットボトルを下げてくるよりもずっとラクだし、安い、でしょう?

と、いい気になっていたら、
算数が大得意な生徒さんがササッと計算して、、、、
「先生、これだと家で使っているスポーツドリンクの素の方が安くつきます。」ですって。
そうっかあ。すごいなあ、君。
算数ができるって、ホント尊敬しちゃいます。